令和7年一般質問
自由民主党の山田ひろこです。会派を代表し、質問いたします。
まずは、このたび、文京区議会議員として、全国市議会議長会より在職10年の表彰を賜りましたこと、大変光栄に存じます。ひとえに、これまでご支援くださった区民の皆さま、特に本日、傍聴席にお越しくださった皆さまには、あらためて深く御礼を申し上げます。そして日々ともに議会活動に取り組んでまいりました同僚議員、区職員の皆さまのお支えとご協力に、心より感謝申し上げます。
10年前、区政への責任と使命感を胸に、議員としての一歩を踏み出しました。この10年は、福祉、教育、防災、まちづくりなど、多くの分野で時代の変化と向き合う日々でした。地域の声を丁寧に伺いながら、一つ一つの課題と向き合い、文京区の発展と区民福祉の向上に力を尽くすことはどの時代にも共通していることであり、これからも初心を忘れず、区民の皆さまとともに歩み続け、次の10年に向け、より良い区政の実現に取り組んでまいる所存です。
それでは質問に移らせていただきます。
区政と共に長年活動を継続している社会教育関係団体に認証を
来年度、文京区は区政施行80周年という大きな節目を迎えます。この80年の歩みは、区民一人ひとりの営みとともにあり、その中でも、地域に根ざした社会教育関係団体の存在は、区民の学びや健康、文化の継承に大きく貢献してまいりました。
例えば、先日、文京シビックホール大ホールにて、創立70周年を迎えた吹奏楽団が、無料の記念演奏会を開催されました。当日は満席となるほどの盛況であり、その質の高い音楽と地域への開かれた姿勢は、まさに文京区の文化力を体現する素晴らしい取組であったと感じております。
スポーツ分野においても、長年活動を続けている団体は、子どもから高齢者まで、世代を超えて技術向上を支援するとともに、区民の健康増進やコミュニティ形成にも大きく寄与しています。こうした多角的な地域貢献は、行政施策だけでは実現し難い、地域の“共助”の力の証であると言えるのではないでしょうか。
このように長年にわたり地道に活動を続けてきた団体は、単なる活動年数の長さにとどまらず、地域住民との信頼関係の構築、文化の継承、防災や子育て支援、健康増進といった生活に密着した支え合いの実践を通じて、区の地域力の根幹を担ってきました。
一方で、時代の変化に即した新たな団体の創出と支援も当然重要ですが、歴史を積み重ねてきた団体の価値を改めて見つめ直し、「地域の知的・文化的インフラ」として位置づける視点が求められていると思います。
区政80周年というこの節目に、こうした団体の功績を「見える化」し、区民や他団体からの信頼や連携を促す仕組みを提案いたします。たとえば、創立30周年以上、50周年以上等の団体に対し、その実績を認証する意味で、団体名の横に「30+」「50+」(そのマークを掲げる)などのマークを付すのはいかがでしょうか、例えばこのようにです。(『〇〇連盟50+』パネルまたはそれを書いた紙を掲げる)長年の努力と継続的貢献への感謝を形にするとともに、新たに活動を始める団体にとってもロールモデルとなり得ます。区として、こうした長寿団体の価値をどのように捉え、今後の地域政策の中でどのように位置づけていくか伺います。
区長答弁:
長年にわたり、地域に根差した社会教育活動を行っている団体は、区や区民にとって、かけがえのない大切な存在であると認識しております。 これらの団体による活動は、成熟した地域社会を形成する上で重要であることから、議員の御提案も参考に、活動の継続に当たり、励みとなる取組を検討してまいります。
教育資源でもある和敬塾との連携を子どもたちのために発展させる
次に、本年創立70周年を迎えた公益財団法人和敬塾との連携についてお聞きします。文京区は令和2年9月に和敬塾と「包括連携に関する協定」を締結しました。これまでに、災害時の避難支援や地域福祉の向上など、区と様々な取り組みを行ってまいりましたが、まずは、令和6年度の取組状況について伺います。協定に基づく、災害支援や地域交流以外に、教育的な観点から実施された事業や交流があれば、その具体的な内容もお示しください。
和敬塾には東京大学をはじめとする国内有数の大学に在籍する学生、日本人のみならず世界各国からの留学生も数多く暮らしており、区内の若者人材として大変貴重な教育資源であります。こうした学生たちの力を、子どもたちの学びや地域の教育力向上に活かす可能性について、さらに検討すべきではないでしょうか。例えば、子どもたちの放課後の学習支援や学校外での学びの機会の充実に向けて、和敬塾の寮生が小中学生を対象とした補習や進路相談などに参画する仕組みづくりの検討です。学生にとっても、教える経験を通じて社会性や責任感を育む良い機会となるはずです。区の見解をお聞かせください。
区長答弁:
議員御案内のとおり、創立七十周年を迎えた和敬塾とは、令和二年度に締結した「包括連携に関する協定」により、これまで、防災、子育て、福祉、生涯学習、文化振興など、幅広い分野での連携した取組を行ってまいりました。 昨年度は、高校生向けの学習支援事業として、理事による講義、大学生との交流会及び和敬塾の見学等を実施し、参加者からは「大学進学の意欲向上につながった」、「進路選択の幅が広がるきっかけになった」などの肯定的な意見を頂いております。 今後とも、協定に基づき、様々な意見交換を行いながら、地域課題の解決に資する事業に取り組んでまいります。
さらに、区と和敬塾が連携して子ども向け講座の実施はいかがでしょうか。夏休みなどを活用し、和敬塾を会場とした「こども未来カレッジ(仮称)」のような企画を立ち上げ、学生たちが子どもたちに理科実験や英会話、キャリア講話を行う場を設けることで、子どもたちの知的好奇心を大いに刺激できるのではないかと思います。こうした施策について、区の見解を伺います。
教育長答弁:
教育分野における和敬塾との連携についてのお尋ねですが、議員御指摘のとおり、数多くの大学生等が暮らす和敬塾は、本区における貴重な教育資源になり得るものと認識しております。 現在、一部の区立小・中学校の地域学校協働本部において、大学生や保護者、地域の方々の協力を得て放課後の学習支援を行う「地域未来塾事業」を実施し、子どもたちの学力向上、学習習慣の定着に努めております。
今後、「地域未来塾事業」について和敬塾に周知を行い、寮生の参加を呼び掛けるなど、放課後の学習支援における連携について検討してまいります。また、子ども向けの講座につきましては、和敬塾との連携の可能性について検討してまいります。
文京区が地域の高等教育機関や学生団体と教育分野での協働を強化することは、子どもたちの学びの質を高めるだけでなく、若者の地域参画意識を育む効果も期待されます。今後、和敬塾との協定をより多面的に活用することを要望いたします。
好輝・幸齢社会の実現を目指した元気シニアの応援
次に元気シニアを応援する様々な取り組みについて伺います。まずは、ここに(本を掲げる)「令和7年度高齢者のための福祉と保健のしおり」がありますが、開いた最初のページに「『好輝・幸齢社会』の実現を目指して」(『好輝幸齢』と書いた紙を掲げる)と書かれております。令和5年の代表質問で私から後期高齢者の呼び方を、(『幸輝好齢』と書いた紙を掲げる)【幸輝好齢者】という表記にしてはいかが、と質問しました。字の組合せこそ違いますが、高齢者の幸福度向上を目指すという意味にとれる前向きな当て字を使っていただきました。冊子に綴られている事業もわかりやすく、施策の充実さも伝わります。こうした見せ方やアプローチの仕方は大切です。ありがとうございました。
さて、その文京区の健康寿命が、男女ともに23区の中でトップクラスにあることは、区政にとって誇るべき成果であり、長年にわたる保健・医療・介護・福祉の連携による施策の積み重ね、そして何より区民の皆さま一人ひとりの健康意識の高さの賜物であると、改めて高く評価するものであります。
しかし、少子高齢化の進行とともに、健康寿命の延伸に向けた施策は、常にアップデートされなければなりません。区民が自分らしく、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、行政としても次なる一歩を着実に踏み出していく必要があります。
そこで、伺います。高い健康寿命を維持するためには、これまでの成果を確かなものとしつつ、常に事業の効果とニーズを検証し、「続けるべきもの」と「見直すべきもの」を判断していく必要があります。限られた財源の中で最大の効果を生み出すためには、事業評価に基づくスクラップ&ビルドの視点は不可欠です。これまでの取組をどのように検証し、再構築していくのか。まずは、基本的なお考えをお聞かせください。
区長答弁:
高齢者を対象とする事業の検証と再構築についてのお尋ねですが、区では、これまでも、日常生活の維持や質の向上、社会参加の促進、健康への支援に向けて、様々な事業に取り組んでまいりました。 事業の実施に当たっては、参加者に対してアンケートを行うなどニーズの把握に努めるとともに、「文の京」総合戦略の進行管理のほか、地域福祉推進協議会において、高齢者・介護保険事業計画の事業の進行管理を行い、事業の必要性や効果について検証しております。今後とも、多様化する様々なニーズを的確に捉えるとともに、効率的・効果的な事業の在り方について、不断の見直しを行ってまいります。
また、今後の健康施策における新たなチャレンジについてですが、これまでの事業の継続や拡充に加え、たとえば、プレフレイル段階での早期支援、本年度導入した健康アプリのようなAIやICTを活用した健康データの可視化と個別支援、あるいは若年層や働き世代に向けたライフスタイル形成支援など、新たな技術や価値観に対応した取組をどのように検討されているか、健康寿命の更なる延伸に向けた新しい施策の構想についてはどのように考えられているかお伺いします。
区長答弁:
健康寿命の更なる延伸に向けた新たな施策等についてのお尋ねですが、区民一人一人が主体的に健康づくりに取り組むことができるよう、「ハッピーベジタブル大作戦」や「生活習慣病予防事業」等により、バランスの取れた食習慣や運動習慣を身に付けるための様々な機会を提供してきたところです。 また、運動・栄養・社会参加を三本柱とするフレイル予防について、東京大学高齢社会総合研究機構と連携し、フレイルサポーターの養成やフレイルチェックの実施、各種講演やイベントの開催を通して、着実に取り組んでまいりました。 本年度は、これらの取組に加え、全ての区民の運動習慣の定着化を目的として、新たに健康アプリの導入を予定しております。 アプリの活用に当たっては、デジタル技術に不慣れな高齢者に対し、説明会や体験会を通して丁寧な支援を行うことで、誰もが楽しみながら取り組める環境を整えてまいります。本事業により、一人一人の自発的な健康づくりを促し、健康寿命の延伸につながるよう、支援してまいります。
そして、日常的な運動習慣の定着も、健康寿命を延ばすうえで重要であり、その中でもラジオ体操は、年齢や体力を問わず、誰もが取り組める極めて有効な手段であり、ラジオ体操を習慣的に行うことで、体内年齢や血管年齢が若返り、骨密度が向上し、認知症のリスクを低下させるなど、健康的な生活を維持するのに役立つとされています。区内では地域団体や学校、公園などでも既に多くの実践例が見られますが、今後さらに多くの区民がラジオ体操を生活に取り入れられるよう、介護予防の冊子等でラジオ体操の会場一覧を掲載するなどして、ラジオ体操の効果や取組を広く周知・推進してはいかがでしょうか伺います。
区長答弁:
ラジオ体操の推進についてのお尋ねですが、ラジオ体操は、世代を超えて、体力向上と健康増進に有効であることに加え、地域での交流においても大きな効果があると考えております。 今後は、介護予防に役立つ情報誌「いきいきシニアの元気力マップ」へ、区内各所で実施されているラジオ体操の情報を掲載するほか、様々な機会を捉えて周知を検討してまいります。
加えて、近年では健康行動に対してポイントを付与するアプリ等を活用した施策が各自治体で導入されており、ウォーキングや健診の受診、地域イベントへの参加などを可視化・動機付けするツールとして注目されています。区民の健康への関心を高め、自主的な取組を促進するうえでも、こうしたICTとインセンティブを組み合わせたアプローチは非常に有効であると考えます。既に東京都が独自で進めている「東京ポイント」と連携するという方法もありますが、いかがでしょうか、お聞きします。
区長答弁:
運動習慣を定着させるためのアプリの活用等についてのお尋ねですが、様々な年代の区民が簡単に利用でき、健康への関心を高め、自主的に運動に取り組んでいただけるよう、「東京ポイント」との連携について研究し、魅力的な健康アプリを提供してまいります。
開設から2か月の文京区児童相談所の現状と体制の強化
次に文京区児童相談所の体制強化についてです。本年4月、文京区において区が設置する児童相談所が開設されました。これは、子ども家庭福祉のさらなる充実に向けた重要な一歩であり、子どもたちの命と権利を守る観点からも、大きな意義を持つものと評価しております。都内23区の中でも、特別区による児童相談所設置は近年進められてきた大きな改革であり、文京区としても大きな責任を担う体制に入ったものと認識しております。
そこで、児童相談所の運営状況や今後の課題等について伺います。まず、4月の開設以降、現在までの相談受理件数と、児童虐待相談件数、一時保護をした児童数の状況などの、区児童相談所の数値実績について、現時点で区としてどのように把握しているのか伺います。
区長答弁:
児童相談所の開設からの対応実績についてのお尋ねですが、本年四月の開設から5月末時点での相談受理件数は496件、うち児童虐待の相談件数は351件であり、一時保護を行った児童数は、一時保護委託を含め37件となっております。
また、児童福祉司、児童心理司をはじめとする児童相談所の専門職の配置状況について、当初の計画通りに人員が確保されているのか、
区長答弁
児童相談所の専門職の配置状況についてのお尋ねですが、児童相談所の開設に向けて策定した運営計画においてお示ししたとおりの人員配置を行っているだけでなく、児童福祉司については計画より六人多い二十六人を配置し、より手厚い人員体制を確保しております。
また、一時保護所職員や、弁護士、医師等の専門職員についても、計画以上に充実した人員体制を整えております。
開設から2ヶ月が経過し、現場で見えてきた課題や改善すべき点について、区としてどのように認識しているかについて伺います。そして、今後の里親支援を含む社会的養護の推進における中・長期的な方向性や、児童相談所の相談体制の強化に向けた取り組みのビジョンについて、区長の見解を伺います。
区長答弁:
児童相談所の課題等についてのお尋ねですが、本区の児童虐待相談においては、法的な対応や医学的アプローチが必要なケースの占める割合が高い傾向が見られ、より慎重な対応を求められる事例が多いことが課題と認識しております。 専門的な支援が必要な事例については、児童福祉に関する豊富な知識や経験を持つ弁護士や医師等の専門職員が、所内の支援検討チームに参画し、それぞれの事例に合わせた、具体的な助言や専門的対応を行ってまいります。 今後の里親支援を含む社会的養護の推進における方向性についてですが、里親制度を含む社会的養護の周知啓発については、里親制度説明会の実施回数を増やすほか、児童相談所と里親養育包括支援機関が、本区の地域特性を十分に踏まえて、地域のイベント等において積極的に周知啓発を行うなど、機動的で丁寧な事業展開を図ってまいります。中・長期的な社会的養護の推進については、区におけるニーズ等を適切に把握した上で、取組の方向性をお示ししてまいります。児童相談所の相談体制の強化についてのお尋ねですが、児童相談所職員が自信や安心感を持って相談援助に取り組むことができる体制づくりを「支援者 支援」として位置付け、職員の相談対応に伴う精神的負担を軽減する支援などにより、士気の高い職場を目指してまいります。 また、区内外の機関において、専門的人材を育成する研修を受講できる体制を整備するとともに、関係機関とのより迅速で的確な連携を強化してまいります。 さらに、専門性の高い児童相談体制を安定的に維持するため、任期満了となる児童相談所経験職員に代わる人材については、経験者採用試験等による確保を計画的に進めてまいります。
特に、昨今の児童相談所を取り巻く環境は、児童虐待にかかる重大事案に即応するための緊急的な対応や、一時保護の受け入れ体制についても課題が多い分野です。子どもたちの命と権利を擁護するため、一時保護された子どもの意見表明支援について、区内外の関係機関との連携を含め、区の運営体制の現状と、今後の取組方針の見通しについて具体的にお答えください。
区長答弁:
一時保護された子どもの意見表明支援についてのお尋ねですが、一時保護所内では、子どもたちが自由に意見を伝えられるよう、居室ごとに意見箱を設置しているほか、生活上のルール等について、意見を自由に出し合う「子ども会議」の開催等により、意見表明の機会を確保し、相談しやすい体制を整えております。また、意見表明のサポートや代弁をするため、子どもの権利擁護について高い識見を有する弁護士を「子どもの意見表明等支援員」として委嘱しました。今後は、国のガイドラインに基づく支援員向けの研修を実施するなど、一時保護所を定期的に訪問するために必要な準備を進めてまいります。 このほか、意見表明の方法等を分かりやすく説明した区独自のリーフレットの配付や、都による相談機関の紹介等により、子どもの声を丁寧に聴く取組を一層推進してまいります。
児童相談所開設後の運営状況を踏まえ、文京区として子どもたちを守る責任と、今後のさらなる体制強化に向けた姿勢をお尋ねし、児童虐待を可能な限り未然に防ぐための区の取り組みを確認させていただきます。
若者の社会参画を支援する中高生のための施設b-labの拡充
次に、若者の社会参画を支援する中高生の施設b-labの拡充について伺います。若者の社会参画は、持続可能で包摂的な地域社会の実現に不可欠です。彼らが地域の課題を自分ごととして捉え、学び、発信し、行動するプロセスを支援することが求められます。
国においても、若者の意見を政策に反映する取り組みが進められています。例えば、こども家庭庁では、「こども・若者の社会参画及び意見反映推進のための調査研究」を実施し、若者が主体となって活動する団体に関する調査や、意見を聴く在り方に関するガイドラインの作成を行っています。
そして、こども基本法では、こども・若者の意見を施策に反映する措置を講ずることが国や地方公共団体に義務付けられています。
文京区においても、若者の社会参画を支援する施設として、学校でもない、家庭でもない中高生の居場所、「b-lab」が設置されており、中高生が自らの興味関心を原動力に活動できる場となっており、若者の声が可視化され、社会とつながる入口となっています。若者に信頼と責任を預けることは、地域への誇りと帰属意識を育む最良の方法です。この「b-lab」は2015年に設置され、10年が経ち、今年の1月に報告会がありました。現役の中高生の活動報告やb-lab OBの経験談、この居場所があって、自分がどう変わったかの話は、とても心打たれる内容でした。
世界ではスェーデンの若者の社会参画が大変高く、その理由は国のいたるところに「第三の居場所」と言える「ユースセンター」の存在にある、という講義を受けました。まさしく、文京区でいうb-labの存在です。文京区でも10年前から運営してきており、報告会でもわかった通り、その成果が見え始めているところです。
しかし、若者の関心は多様化・複雑化しており、b-labの機能やリーチも時代に応じたアップデートが求められていくと思います。区は今後どのように拡充または強化されていきますか、「未来への投資」という意味で伺います。
教育長答弁:
b-labの拡充についてのお尋ねですが、本年四月に開設十年目を迎えた「青少年プラザb-lab」は、令和6年度の年間延べ利用者数が33000人を超え、中高生の自主的な活動や交流を行える居場所として、着実に定着しております。 また、b-labを利用する中高生が、青少年健全育成会や児童館のイベントに参画するなど、地域活動に興味を持つ中高生が増えており、地域の担い手として成長しているものと認識しております。 さらに、旧大塚地域活動センター跡地に新設予定の青少年プラザの近隣には、区立中学校のほか、国立や都立、私立の中学校・高校、さらに大学も複数あります。そうした地域特性を踏まえ、b-labとはハード面・ソフト面でも異なる特色を持った施設となるよう検討を進めているところです。 今後とも、施設を利用する中高生が社会参画できる機会を提供し、地域のリーダーとなる青少年の育成に努めてまいります。
また、本年度は初の試みである民間との協働で「第三の居場所」を飯田橋ファーストビルに整備しました。まだ数か月ではありますが、利用状況、利用者の声、そして、見えてきた課題があれば教えてください。
教育長答弁:
アクアベースについてのお尋ねですが、中高生の居場所事業として、本年五月に開設した「アクアベース」は、週三回利用可能となっております。利用者からは「静かで良い」、「生き物がいるのがうれしい」といった声を頂き、様々な形で活用されている状況です。 一方で、より多くの中高生に施設の存在を知ってもらうための周知方法などの課題も見えてきております。 今後は、中高生の意見を積極的に取り入れ、より多くの中高生が安心して過ごせる居場所となるよう、積極的な広報や、運営委託事業者の強みを生かした魅力的なプログラムの充実に努めてまいります。
このように、b-labは中高生が自らの可能性を発見し、社会とのつながりを深めるための貴重な場となっています。文京区における若者の社会参画支援の一環として、今後も注目される取り組みです。事実、b-labには区外から多くの自治体がこの施設を視察に来ております。文京区が日本における若者参画の先進自治体となれるよう、今後もさらなる充実を図られるようお願いいたします。
世界水準の教育理念を持つ国際バカロレアとの世界初の相互協力
次に世界初となる国際バカロレアとの相互協力について質問します。本年3月、文京区は国際バカロレア機構(IBO)と「相互協力に関する覚書」を締結いたしました。IBが掲げる「探究」「思考」「多様性の尊重」といった理念は、知識詰め込み型から、課題発見・解決型の学びへと教育の質を転換するうえで、非常に重要な要素であり、非認知能力の育成やグローバル人材の育成にも資する世界水準の教育理念と言われています。
この教育理念を、区立幼稚園、学校においても柔軟かつ実効的に取り入れていく本区の姿勢は、教育都市・文の京として極めて先進的であり、子どもたちの未来に大きな可能性を開くものと高く評価いたします。
さらに、今年7月30日には、文京区教育委員会と国際バカロレアの共催による「これからの教育を考えるシンポジウム」が開催されます。IBO総裁オッリ=ペッカ・ハイノネン氏を迎えた基調講演やパネルディスカッションなど、極めて意義のある取り組みであり、保護者や教育関係者、地域の皆さまに広くIBの理念を知っていただく絶好の機会となります。
こうした動きを踏まえ、質問させていただきます。まず、7月30日のシンポジウムは、区内外の教育関係者や保護者、住民にとってもIBの理念を知り、考える貴重な機会になると考えますが、本区としてのねらいと、今後こうした発信や対話の機会を継続し、展開していくのか、そして、IBとの連携によるビジョン、ロードマップをどのように描いているか伺います。また、教員が受ける研修の具体的な内容、研修後の実践への落とし込みをどのように支援していくのか。さらに、IBの理念を取り入れた授業を通して、児童、生徒の学びの変化をどのように期待しているか、そして、それをどう評価し、フォローしていくか、お示しください。
教育長答弁:
国際バカロレア機構との連携の取組についてのお尋ねですが、本区は令和7年3月に国際バカロレア機構と相互協力に関する覚書を締結し、持続可能な社会及び平和な世界を築くことに貢献できる資質・能力を育むため、「世界に向けた学びを紡ぐプロジェクト」に取り組むこととしております。 本プロジェクトでは、令和七年度は、シンポジウムの開催及び教員研修の実施、令和八年度以降は、教員研修の実施、国際バカロレア認定校との交流、指導方法に関するモデル校の選定に向けた検討等を実施する予定です。 本年7月に開催するシンポジウムは、国際バカロレア機構との相互協力に関する出発点として位置付け、今後の区の取組を、保護者、地域の方々、教育関係者に広く知っていただくことを狙いとしております。 シンポジウムにつきましては今回限りとする予定ですが、国際バカロレア機構との連携の中で、関係を築けた諸機関との対話も大切にし、事業の充実に生かしてまいります。
次に、教員研修についてのお尋ねですが、国際バカロレア機構が文京区のためにアレンジした研修プログラムにて、区立幼稚園及び小・中学校の教員研修を実施いたします。 具体的には「探究的な学び」「学習評価」「概念的な理解」をテーマとして取り扱い、ディスカッション等を通して受講者が能動的に学ぶ研修といたします。
次に、期待される児童や生徒の学びの変化についてのお尋ねですが、受講者は研修後、学んだテーマを授業で実践することとし、教育委員会としましては、授業観察等でフィードバックを与えるなど、受講者への支援をいたします。 児童・生徒及び受講者にアンケートを取るなどして、子どもたちの変容を把握するとともに、その結果を国際バカロレア機構へ情報提供し、より良い研修が実施できるよう努めてまいります。
文京区が世界水準の教育理念を公立の教育に根づかせていく取組は、全国の自治体にとっても大きな示唆を与えるものです。今後、子ども達一人ひとりが「自ら問い、考え、行動する力」を身につけ、未来を切り開いていく礎となることを願います。
いのち輝く未来社会のデザイン」大阪・関西万博を教育に活かす
次に、子どもたちの教育の観点から、大阪・関西万博の活用について伺います。先日、大阪・関西万博を視察してまいりました。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、世界各国から最先端の技術や多様な文化が集まる国際的なイベントです。SDGs、先進医療、AI、カーボンニュートラル、福祉、防災など、私たちの未来に直結するテーマがこの中に全て取り込まれていると肌で感じてきました。子どもたちが「これからの社会」を主体的に学ぶ場所であり、絶好の機会であると思いました。また、国際交流や異文化理解の促進にもつながり、区として取り組む国際教育の推進とも親和性が高い内容です。
開催から3か月足らずですが、現時点で、区内での大阪・関西万博に関する情報提供や教育的な活用の検討について課題はありますか、伺います。
教育長答弁:
この万博につきましては、教育指導課の職員も現地を視察しております。 各パビリオンで「いのち」をテーマにしたプログラムが提供され、子どもたちがSDGsの達成に向けた先進的な取組や社会システムに触れることで、未来社会を体験する機会となり、教育的意義を有するものであるとの報告を受けております。
万博の内容を知ることで、子どもたちの学びが広がる可能性があります。多くの学校現場や保護者にとって、その存在を身近なものに感じてほしいと思いますが、大阪・関西万博を教育に活かす意義について、教育委員会の認識をお聞かせください。
教育長答弁:
万博を教育の機会として活用することについてのお尋ねですが、万博を訪問しない学校でも、提供されている様々なコンテンツを通して万博に触れることができるよう、校長会に情報提供してまいります。
また、学校現場だけでなく、シビックセンターや区内施設での子どもたちが行き交う場所にての広報・周知について、区はどのように取り組んでおられますか。
区長答弁:
区長会において、国際博覧会推進本部事務局から、万博の概要説明と各自治体における機運醸成への協力依頼があり、本区では、シビックセンターや青少年プラザにポスター等を掲示しております。 事務局からはSNS等での紹介なども取組事例として示されており、会期中の周知にも努めてまいります。
そして、区内7校が修学旅行の行先に予定しておりますが、会場に直接行けない学生たちにも、例えば、オンラインを活用したバーチャル参加や、総合的な学習の時間において、万博に触れる機会はあるのか、お聞きします。
教育長答弁:
万博を修学旅行先にしなかった中学校についてのお尋ねですが、各区立中学校は、生徒の実態や学校の特色に応じて修学旅行を計画・実施しており、それぞれの訪問先において、教育的効果のあるプログラムに取り組んでおります。次に、万博を教育の機会として活用することについてのお尋ねですが、万博を訪問しない学校でも、提供されている様々なコンテンツを通して万博に触れることができるよう、校長会に情報提供してまいります。
ノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥教授は、1970年に大阪万博を訪れた時の経験が間違いなく、科学への興味につながった。何千万人が行ったら、何千万通りの感動があり、それぞれの学びがある。とインタビューに答えております。教育の機会としての活用について、区としての支援や方向性をお聞かせください。
東邦音大を仮設校舎として活用した小日向台町小学校の改築計画
次に小日向台町小学校の改築についてです。コロナ後の令和3年に小日向台町小学校等改築基本構想検討委員会が始まり、幼稚園、児童館、育成室を含んだ一体的整備を議論してきました。住宅街にある校舎周辺の道幅の狭い道路ゆえに、大型車が入れないという地域の特性に加え、仮設校舎を校庭に建設する自校方式を採らざるを得ず、長期間に及ぶ工事が懸念されたのが、この学校改築の難題点でした。それを想定し、仮設校舎を建設できる民間地の土地取得交渉に、企画課や学務課など、区は組織横断的にコロナ前から積極的に動いてくださっておりました。その後、令和5年には、みずほ銀行研修所が幼稚園の仮園舎として活用が決まり、近隣住民一軒一軒を訪問し、了承を得てくださったその経緯も含め、そして、本年、東邦音大の土地取得に至ったことは、企画課、学務課の職員の皆さま、そして、関係所管の皆さまの努力にあったと改めて、感謝の意を表します。
さて、その仮校舎を小日向台町小学校が一番目に活用する方向で調整を進めることが決まりましたが、東邦音大付属高校の在籍生が卒業し、建物が区に引き渡される令和9年6月までは建物の解体工事に着手できません。その間にできる計画について、そして、解体工事、仮校舎建設のスケジュールをどう見積もっておられるか、同時に現在の小日向台町小学校の改築についての進め方をどう計画しているかを伺います。
教育長答弁:
小日向台町小学校の改築についてですが、令和9年6月頃に予定されている東邦音楽大学からの建物引渡し後、速やかに不要な既存校舎の解体等の事前工事を行うことが重要です。そのため、本年度中に仮校舎の整備方針を取りまとめ、来年度初めから設計に入る予定です。また、設計後の事前工事、建設工事が最短のスケジュールで進んだ場合、仮校舎の供用開始は令和12年度となる見込みです。 小日向台町小学校等の改築工事については、小学校が仮校舎へ移転した後に建設工事を開始することで調整を進めております。仮校舎を学校敷地の外に確保したことで、工期の短縮が図られるものと考えておりますが、具体的な工期や工事スケジュールについては、設計業務の中で検討を進めております。
また、小日向台町小学校は茗荷谷町会と小日向台町町会の一時避難所でもあります。工事期間中の避難所の代替場所をどう考えているか伺います。
区長答弁:
小日向台町小学校改築期間中の避難所についてですが、今後、具体的な工事内容を踏まえながら、避難所として使用できない期間の対応について、検討してまいります。
幼稚園の仮園舎として活用する旧みずほ銀行茗荷谷研修所跡地には、他に児童館、育成室も入りますが、こちらの整備計画もお示しください。
教育長答弁:
旧みずほ銀行茗荷谷研修所については、現在、内装改修の設計を進めており、研修所本館に幼稚園、児童館及び育成室一室を、新館に育成室二室をそれぞれ整備する計画としております。改修工事の着工時期については検討している段階であり、今後、具体的なスケジュールが決まり次第、保護者や地域の方々に対し、周知を行ってまいります。
また、不便が生じても、工期が長くなろうとも、居ながらの改修工事を望んでおられるご家庭もおります。仮校舎へ移転して工事を進めることに、どう理解を得るか、お聞きします。
教育長答弁:
学校が敷地外の仮校舎に移転することについては、保護者の皆様へ、その利点及び課題等について、丁寧な説明を継続して実施し、不安解消や理解促進に努めてまいります。
区役所の女性管理職の育成と能力のある多様な人材の人事登用を
最後に女性管理職の育成と職員人事についてです。令和6年4月1日現在のデータによれば、東京23区の区役所における女性管理職の比率が、文京区は23区の中で最も低い水準であることが明らかになりました。この結果は、男女共同参画の推進やダイバーシティの実現という観点からみて、極めて深刻な区の課題と受けとめます。
これまで文京区は、教育・文化・福祉など多くの分野で先進的な施策を進めてきましたが、組織内部の人材登用においては、多様性やジェンダー平等の観点では大きく後れをとっているということではないでしょうか。
この状況を受けて、まず初めに、文京区の女性管理職比率が23区中で最下位であったという事実を、区長はどのように受け止めておられますか。そして、女性職員の登用・育成に関するこれまでの取り組みと成果、そして現状の課題をどのように認識しているのか、伺います。
女性管理職の比率等についてですが、令和7年4月1日時点で、全管理職85人のうち女性職員は10人で、その割合は11.8%と、昨年4月1日より1.6%伸びておりますが、他区と比較して低い水準にあることから、改善が必要であると認識しております。 こうした状況の理由として、権限や責任が重くなることや、ワーク・ライフ・バランスに対する不安等が主な要因であると認識しております。 そのため、仕事のやりがいやプライベートとの両立等について、女性管理職にインタビューを行い、職員向け広報誌で周知するほか、「女性職員のキャリア形成に関する意見交換会」を実施し、昇任への不安解消に努めてきたところです。 今後も、これらの取組を通じて昇任意欲の醸成を図ることで、女性職員の一層の活躍推進に取り組んでまいります。
今後、女性管理職の比率向上に向けて、区全体の意識改革を促進していく必要があると思います。
そして、人事登用においてですが、年次や在職年数にかかわらず、多様な人材が能力と実績に応じて登用される環境を整えることは重要です。優れた人材が民間企業に転職することなく、職員のキャリア形成と人事には慎重になる必要があります。実績、マネジメント力、区民との信頼関係などを重視した人事評価を導入し、在職年数や年齢に過度に依存しない登用を促進し、選考基準や審査体制の明文化など公正性を担保することは重要です。これらの区長のご認識をお聞かせください。
区長答弁:
人材活用、人員配置等についてのお尋ねですが、本区では、目指すべき職員像として、「課題に気づき解決に向けて、自ら考え行動できる、改革志向の職員」を掲げております。 この考えの下、管理職、一般職員問わず、人事評価に当たっては、設定した職務目標に対する成果のほか、企画力や調整力等、多角的な要素を公正に評価することで、より高い能力を持った職員の育成を図ってまいります。 今後とも、人事評価の結果を活用するとともに、多様な研修を通じて職員の職務遂行能力を高め、在職年数や年齢に過度にとらわれることなく、職員の能力と適性を踏まえた適材適所の人員配置を行ってまいります。
これからの自治体運営には、これまで以上に多様な視点、柔軟な思考、そして区民の多様性を反映した意思決定体制が求められます。その実現のためには、能力と適性を評価した登用を行う仕組みの構築が不可欠です。文京区がその先頭に立つことを期待し、質問とさせていただきます。
以上で私の質問を終わります。ご清聴誠にありがとうございました。
